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成功の賞味期限

フードビジネス(外食産業)という言葉が世に言われ始めたのは、今から30数年前のことだと思われますが、それまでの飲食業では、大半が個人による生業が中心で、家業として引き継ぐ者や奉公(修行)の末、年季明けによる独立、のれん分けといった具合でありました。

このように個々の規模は非常に小さく、法人化されているケースも少なかった上に、日々の売り上げにおいても不安定であることを理由に、総じて水もの「水商売」と一括りにされていたと記憶しております。

それが、米国で発生したフランチャイズシステムが、日本に導入され始め、ケンタッキーやマクドナルドというファーストフードの店舗を中心に飛躍的に成長し、その流れは既に存在していたチェーン店のシステムと相まって、様々な法人が当時の水商売に参入してきたことで、80年代後半には20兆円産業に…

その中でも、一大ブームを巻き起こしたファミリーレストランなど、印象深いことでありました。

その後、バブルの崩壊を起点に生存を懸けて、熾烈な競争が繰り広げられる中、コンビニという外食産業としてのカテゴリーから外れていた業態が浸食してくることとなり、デフレを契機に低価格ランチ戦争に突入することとなりました。

同時に、アルコールを積極的に取り扱う、居酒屋業態を主体とする法人も多数出現し、今次のランチ戦争さながらの、均一価格に徹して展開する店舗が拡大を続ける中、驚くべきことに先月の産経新聞の一面にも取り上げられておりました「焼酎0円」を掲げる正にFREE BUSINESSまで登場してきた訳であります。

この一連の流れを顧客心理で、一言で申せば『本音の時代』に突入したということになりそうです。

詳述しますと、多少デフレが続いていてもプライドを刺激することで、本物志向に対する関心や興味から消費幅は広範に保たれていたと考えられます。

それが、疲弊する経済、雇用不安、政治不信、財政破綻論など、マインドは低下の一途を辿っているような状態に陥りますと、建て前は影を潜めベクトルは本音に向かいます。

極端に言えば、マズローの欲求5段階説のピラミッドを下降するということになります。

実際、焼酎ブームが到来したときに銘柄では「佐藤」や「魔王」といった希少価値を背景に高額の焼酎が、持て囃されたことは記憶に新しいはずであります。

しかし、「焼酎0円」や土間土間の一部店舗で実施されているFREE DRINK(無料で飲み放題)では銘柄などの指定は当然に出来ないのですが、そのことは来店動機としての優先順位が高くはないという結果であります。

ランチ戦争に当てはめてみても、牛丼の元祖ともいえる吉野家が、苦戦を強いられていることを見ると元祖や本物というキーワードの稀薄化が浮き彫りとなっております。

問題は今後もこの流れが続くのかと言えば、残念なことに当面は消耗戦が中心となりそうですが、必ず転機は訪れます。

ただ、その時期については諸般の事情によりことなってきます。

体力のある企業については、ひたすら転機を待つということも考えられますが、見通しが立たない転機を待つだけでは、不安が先行して自信を喪失してしまう可能性も否めません。

成功を積み上げるというよりは、成功は繋ぎあわされていくものであると考えるべきです。

成功には賞味期限があると考えるのです。

コンビニの棚に並べられた商品のように、賞味期限が訪れる前に、次の成功(商品)を備えることが必要になってくるのです。

少し抽象的な表現になりましたが、この違いが現在のマクドナルドと吉野家の違いであると言いきってもよいでしょう。

マーケットですが、政府、日銀ともに主体的に動いているというよりも、やむを得ずに取り組んでいる姿勢から、まだ真剣でないと見ている投資家も多く、サプライズが飛び出さない限り株安、円高のトレンド基調は持続するのではないでしょうか?
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.31 2010 マーケティング comment0 trackback0